憧れが手に入るシェアハウス

新しい×生活 暮らす×楽しむ わたし×仲間

シェアハウスでの暮らしはものの買いすぎにも注意

大学三年生の春、僕はシェアハウスへの引っ越しを決めた。下北沢のシェアハウスだ。下北沢は古着屋や雑貨屋が豊富にあって、若者にとってはまさに夢の街。昔から憧れていて、一度は住んでみたかったのだ。もともと洋服や雑貨を集めるのが好きだったこともあり、めでたくシェアハウスで暮らすようになってからは、さらに下北沢の街にのめり込んでいった。僕の部屋は六畳の洋室。ベッドや机がもともと備え付けられており、余計なものを置くスペースは正直言ってあんまりない。だが、部屋には街で買った洋服や雑貨がどんどん増えていった。最初のうちはよかったが、次第に部屋は片付かなくなり、クローゼットに入りきらない洋服をシェアメイトの部屋に頼んで置かせてもらう時もあった。そうして一年ほどが経った時、事件が起こった。僕たちの住んでいるシェアハウスが、突然閉館することになったのだ。みんなが残念がる中、僕は次の引っ越しを考えて焦った。僕がこのシェアハウスに住んでいた理由は、家賃や共益費などの生活費が安く済むからだ。下北沢で普通のアパートに一人暮らしできる経済力はないし、今でさえ持て余しているのに、全ての私物を次の住居に持っていけるはずもない。引っ越し代だって余計にかかってしまう。三日三晩考え込んだ末、僕はあることを決断した。……断捨離するのだ。下北沢に来てから買い集めた服や雑貨はもちろん、もともと持っていた本やDVDまで、売れるものは全て売り、捨てるものは全て捨てた。そうしてみると……不思議な話だが、なんだか心が晴れやかになったのだ。綺麗さっぱり整理された自分の部屋はとても広く感じ、僕はあることに気付いた。それは、「多くのものに囲まれなくても生きていけるんだ」ということ。後からシェアメイトに聞いた話だが、僕の住んでいるところのように一般的なアパートより家賃の安いシェアハウスで生活していると、ついつい余計なものにお金を使ってしまうというケースは多いみたいだ。僕は下北沢の街を愛するあまり、いつしか下北沢の街に囚われてしまっていたのかもしれない……。でも、次の引っ越し先も下北沢でシェアハウスを探すつもりだ。

GO
UP